ノイズ対策・EMC対策 基礎技術コンデンサによるノイズ対策

ここではコンデンサの使い方や、役割、原理を掲載します。

1.コンデンサの概要

コンデンサのインピーダンスは、コンデンサに交流電圧を加えたとき、そのコンデンサに流れる電流の大きさを決定する定数であり、加えた電圧の周波数によってその値は変わります。
周波数を高くしていくとインピーダンスは低下し続け、電流が流れやすくなり容量性リアクタンスの値が段々と小さくなるためであります。さらに周波数を高くしていくと、V字の底に達し、コンデンサの共振周波数となります。この点では容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスが等しくなり、相殺され、コンデンサが抵抗となる瞬間です。この抵抗を一般にESRと呼んでいます。

図1.コンデンサの外観 図1.コンデンサの外観

さらに周波数を高くしていくと誘電性リアクタンスの値が容量性リアクタンスの値より大きくなり、コンデンサの形はしていますが、コイルと同一の働きをする周波数領域となります。

2.コンデンサの選定

インピーダンス-周波数特性は実測値と計算値が一致するのが好ましい理想的なコンデンサです。コンデンサはチョークコイルと同様、コモンモード用(ラインバイパス用)、ディファレンシャルモード(アクロスザライン用)とに大別できる。
これらのコンデンサは一般に次のような特性が要求される。

  • ① 自己共振周波数が高い
  • ② 静電容量の電圧係数が低い
  • ③ 電圧破壊レベルが高い

コンデンサには低周波の電流は流しがたく、高周波成分は流しやすいという性質がある。高周波ノイズが重畳しているライン間、あるいはラインとグラウンドとの間にこのコンデンサを接続すると、低周波の信号にはあまり影響を与えず、重畳している高周波ノイズ成分はグランドラインや帰路のラインにバイパスさせる、高周波ノイズを除去するローパス型EMIフィルタの特性がある。
またコンデンサは、もともと二つの導体によって囲まれた絶縁体(誘電体)に電荷および電界を閉じ込めて、できるだけ外に逃がさないよう工夫した装置であり、電荷を一時的に蓄積するための装置である。通常、高周波ノイズを除去するローパス型EMIフィルタとしてのコンデンサの評価は挿入損失で行い、電池のような電圧の変動を抑えるノイズ対策のコンデンサの評価はインピーダンスで行われる。

3.コンデンサの種類

ノイズ対策にはセラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、樹脂フィルムコンデンサなどが使われる。コンデンサには、静電容量、耐電圧(定格電圧)、誘電体損失、漏れ電流(絶縁抵抗)、温度特性、信頼性、寿命特性、半田耐熱などの実装性などで選択されるが、ノイズ対策用コンデンサでは静電容量とESR(残留抵抗)、ESL(残留インダクタンス)が重視される。理由は、自己共振点より低減の周波数帯では挿入損失の大きさやインピーダンスが静電容量で決まり、自己共振点より高域の周波数帯では挿入損失の大きさやインピーダンスがESLで決まり、自己共振点付近の周波数帯では挿入損失の大きさやインピーダンスがESRで決まるからである。

図2.コンデンサ外観(2) 図2.コンデンサ外観(2)

4.半導体コンデンサ

半導体コンデンサは、半導体磁器領域と誘電体絶縁層をもったコンデンサで、単位面積あたりの静電容量が極めて大きいことが特徴である。
電子回路では小型大容量のものがノイズ吸収、バイパス、カップリング用として大量に使用されている。主にラジオ、ステレオをはじめとする音響機器に使用され、電子回路の電圧も低くなり映像機器にも使用されている。
半導体コンデンサは、半導体技術、再酸化技術、拡散技術、などを駆使して素子の表面、または内部に絶縁層と半導体層を形成し、従来の物に比べ、数十~数百倍の誘電率を有し、従来と同等の性能を保持した小型化大容量のコンデンサである。

Chapter.10