東京計器アビエーション株式会社MRI室対応LED照明 「マグルミナンス」

適用EMC関連規格:CISPR15、CISPR32クラスB

MRI室対応LED照明 「マグルミナンス」

病院内LED照明の概要

LED照明は低消費電力・長寿命といった特徴を持ち、省エネ化のために2010年頃より普及し始め、2017現在、照明器具の代表となっています。

病院・診療所などの医療機関においてもLED照明化が進んでいる一方、LED照明機器から発する電磁ノイズが問題になることもあり使用に関しては注意と検討が必要となります。

特にMRI装置は、微小な受信信号によって画像を生成することから、MRI撮影室におけるLED照明は、低ノイズ且つMRI室用の対策を施したものでなければなりません。

LED 照明の普及前にはMRI 撮影室の照明はノイズの無い白熱灯やハロゲン灯が主に使用されていましたが、近年になり白熱灯の生産中止やMRI 撮影室もLED 照明の使用の要求が増えてきており、ほとんどのMRI 撮影室にLED 照明が採用されています。

MRI室への対応

EMC試験への対応

MRI(magnetic resonance imaging,)装置とは、核磁気共鳴により人体のあらゆる部分の断面像を撮ることができる画像診断装置であり、強力な磁場内(超伝導磁石のMRIの場合、通常1.5T(テスラ)~3.0T)において、共鳴周波数の電磁パルスを体内に照射することによりプロトン(水素原子)の状態を画像化することによって体の状態を知ることが出来るものです。

電磁パルスの共鳴周波数はプロトンの歳差運動周波数(ラーモア周波数)に一致をさせ(1T(10000Gauss)の磁場中では42.57MHzとなる)、パルスの照射が止まった際、吸収したエネルギーを同じ周波数の電磁エネルギーとして放出した信号を受信することによって画像化し人体の断層画像を得ています。

つまりMRI室撮影室内においては、強力な磁界中において電磁パルスの放射と微弱電波信号の受信が行われており、LED照明を含めたMRI室内の設備は、イミュニティーとエミッションの両方の観点から選択しなくてはなりません。

イミュニティー能力としては、一般のLED照明の規格とは異なり「耐磁場性」「耐RF性」が求められており、非磁性材料の使用や、実機によりフィールド試験を行って動作確認をする必要があります。また、エミッション限度値としては、MRI撮影室内においては、MRI共鳴周波数において“-5dBuV/m(MRI装置設置仕様)”という厳しい条件が課せられている場合もあります(医療メーカーによっても異なります)

参考までに以下にMRI装置の受信信号にノイズが混入した例を示します。

硬度調整リング

このようにノイズの混入があると、画像にアーチファクト(目的以外の信号)が現れることがあります。

アーチファクトは診断結果に誤りをもたらす可能性があり,検査や計測に際しては,それをいかにして除くかは重要な問題となっています。

EMC規格への対応

弊社で販売している「MRI室対応LED照明(製品名:マグルミナンス)」は、電源別置型を採用しており MRI撮影室(通常はシールドルームとなっている)内にはラインフィルタを介してMRI撮影室内にはLED素子のみの器具としており、撮影室内にノイズを放出しない構成となっております(図1参照)。

硬度調整リング

また電源部や調光回路に関しては電気用品安全法(PSE)に準拠した雑音の強さ以下となることを確認しています。しかしながら近年、電気用品安全法やCISPR15 における周波数範囲以外のノイズ問題も起こっており、(例えば医療機関において医療テレメータ(420MHz帯)の通信障害の問題)300MHz以上の放射ノイズや近接した場合の誘導ノイズの問題が挙がっています。

弊社としては自主的に「CISPR15」の限度値の確認、「CISPR32(30MHz~1GHz)」のエミッションの限度値内であることを電波暗室内で確認をしています。

硬度調整リング

最後に

医療現場において、LED照明は各装置への影響もそれぞれとなっており、ノイズ規制の限度値内であっても、干渉が起こる場合があります。弊社では、今後ともMRI撮影室用LED照明のみならず、脳波室用LED照明やアンギオ室用LED照明などの各医療装置用のLED照明をラインナップして行き、医療機関においてノイズ干渉の無い製品を提供していく様に心掛けていきたいと思います。