放射光X線によるリチウムイオン電池の内部短絡現象のその場観察(JARI)
2021.06.15更新

自動車用 LIB でも民生用と同様に内部短絡が発生するリスクがあることから、単セルを対象とした自動車用 LIB の安全規格である
IEC 62660-3にもFISC 試験が規定されている。
代替試験の候補としては、関連情報としてIEC / TR 62660-4にまとめられている。
FISC 試験との同等性の確認などが課題として挙げられており、標準試験法として採用するには検証が必要となっている。
筆者らはセラミック釘刺し試験について、特にFISC 試験との内部短絡層数の同等性について調査してきた。
FISC 試験の内部短絡時の短絡層数は1~2層に対して、セラミック釘刺し試験時の短絡層数は多くなる傾向にあった。
通り負極層-正極層短絡で1層、負極層-正極層-負極層短絡で2層短絡としている。
過去の結果より、FISC 試験とセラミック釘刺し試験で、電圧低下幅を同一値にしても、セラミック釘刺し試験のほうが
若干短絡層数が多くなる傾向が見られている。
これまで試験後のセルを解体し、セパレータの貫通穴の有無で確認していたため、電圧低下挙動と短絡層数の関連性が不明であった。
そこで今回、短絡手法の違いによる電圧低下挙動と短絡層数の関連性を比較するため、放射光 X線を用いた内部短絡時のその場観察を行った。<JARI Research Journal>
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