稼働中のFA機器をリアルタイムで調整するAI制御技術を開発 ~AIを活用し、作業者による機器調整を無くし、製造工程で生産性を向上~(産総研)
2021.12.06更新
概要
三菱電機株式会社(以下、三菱電機)と国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)は、製造現場における環境変化や加工対象物の状態変化を予測し、稼働中のFA機器の加工速度などをリアルタイムで調整するAI制御技術を開発しました。この技術は、人手と時間をかけて行っていたFA機器の調整を無くすとともに、AIが予測した加工誤差量などの結果の信頼度を指標化し、信頼度に応じてFA機器を適切に制御します。これにより、さまざまな加工環境下においても信頼性の高い安定した動作が可能となり、変種変量生産における製造工程においても生産性の向上に貢献します。

図 リアルタイムで調整するAI制御技術の概念図
開発の特長
1.高速推論:FA機器制御と同時並行で高速推論可能なAI制御技術を開発
- FA機器に求められるリアルタイム制御を実現するため、高速で推論が可能なAIを活用した技術を開発
- 動作速度などのFA機器の状態を表すデータ(状態量)を取得し、AIが自動で動作パラメーターや補正量を高速に推定することで、加工精度・生産性を向上
2.環境適応:動作中の状態量を学習し、常に変化する加工環境に適応
- FA機器の動作中に加工形状などの加工環境や変種変量生産における製品形状の変化をAIに学習させ、製造現場の環境変化や状態変化に適応した高精度なFA機器制御を実現
- リアルタイム制御に要求される高い信頼性を確保するため、推論結果の信頼度に応じてFA機器を適切に制御し、さまざまな加工環境下においても信頼性の高い安定した動作を実現
3.高信頼:推論結果の信頼度を指標化し、信頼性の高いAI制御技術を実現
- AIが推論した結果の信頼度を数値化するアルゴリズムを構築
- 動作速度などのFA機器の状態を表すデータ(状態量)を取得し、AIが自動で動作パラメーターや補正量を高速に推定することで、加工精度・生産性を向上
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