シリコン量子ビットの高精度読み出しを実現~半導体系の誤り耐性量子コンピューターの実現に前進~(JST)
2024.02.13更新
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- “Rapid single-shot parity spin readout in a silicon double quantum dot with fidelity exceeding 99 %”
DOI:10.1038/s41534-024-00813-0
理化学研究所(理研) 創発物性科学研究センター 量子機能システム研究グループの武田 健太 上級研究員、野入 亮人 研究員、樽茶 清悟 グループディレクター(量子コンピュータ研究センター 半導体量子情報デバイス研究チーム チームリーダー)らの国際共同研究グループは、シリコン量子ドットデバイスにおいて、電子スピンの状態を高速かつ高精度に測定することに成功しました。
本研究成果は、半導体量子コンピューターにおいて、量子誤り訂正などの高精度な測定に基づいた条件付きの量子操作を要する技術を可能にすると期待できます。
今回、国際共同研究グループは、シリコン量子ドット中の2つの電子スピンに起こるスピンブロッケード現象を用いてスピン読み出しを行うことで、従来の1つの量子ドットのみを用いる方法に比べて量子ビット読み出しの速度と精度を大きく改善しました。
本研究は、科学雑誌「npj Quantum Information」オンライン版(2024年2月13日付)に掲載されます。
本研究は、科学技術振興機構(JST) ムーンショット型研究開発事業 目標6「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現(プログラムディレクター:北川 勝浩)」の研究開発プロジェクト「拡張性のあるシリコン量子コンピュータ技術の開発(プロジェクトマネージャー:樽茶 清悟)、JPMJMS226B」などの助成を受けて行われました。
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