記憶の正体を解き明かす記憶関連たんぱく質が“集合する”シミュレーションに成功(JST)
ポイント
<概要>
藤田医科大学 医学部 医用データ科学の浦久保 秀俊 准教授、Vikas Pandey(ビカス・パンディ) 研究員、京都大学 大学院医学研究科の林 康紀 教授、細川 智永 准教授の研究グループは、人が記憶するときに脳内で起こるたんぱく質の集合をコンピューターシミュレーションすることに世界で初めて成功しました。私たちが何かを覚えるとき、記憶に関わるたんぱく質は「液-液相分離」と呼ばれる液滴状の集合体を形成します。シミュレーションでは、たんぱく質が複雑に多相の集合体を形成する様子が再現されました。
記憶に関係するたんぱく質の集合は人の記憶形成の基盤です。それゆえ、統合失調症を始めとする多様な精神・神経疾患の解明につながると期待されます。
本研究成果は、米国の学術ジャーナル「Cell Reports」オンライン版で2025年4月8日(日本時間)に公開されました。
本研究は、科学技術振興機構(JST) CREST(課題番号:JPMJCR20E4 記憶を司るシナプス微小構造の時空間ダイナミクス[林 康紀])、日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業(課題番号:JP19K06885、JP18H05434、JP20K21462、JP22K21353、JP24H02317、JP20K12062)、小林財団、京都大学 総合研究推進本部 いしずえ、上原記念生命科学財団、内藤記念科学振興財団、ノバルティス科学振興財団、武田科学振興財団、HFSP Research Grantの支援を受けて行われました。
<プレスリリース資料>
本文PDF(348KB)
<論文タイトル>
“Channel synapse mediates neurotransmission of airway protective chemoreflexes”
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(25)00275-X
最新のEMC関連規格動向は『月刊EMC』にて随時掲載しています。
Copyright(C) Kagakujyoho shuppan Co., Ltd. All rights reserved.
※記事の無断転用を禁じます。