DNAナノポアセンサーでオーダーメイドに分子を検出~創薬や診断に役立つバイオセンサーの創出に向けて~(JST)
ポイント
<概要>
長岡技術科学大学 技学研究院 機械系の庄司 観 准教授、大学院工学研究科 先端工学専攻 材料工学分野の赤井 大夢(博士後期課程3年、函館工業高等専門学校出身)は、東北大学 流体科学研究所の馬渕 拓哉 准教授、大学院工学研究科の平野 太一(博士後期課程1年)と共同で、分子を選択的に検出できる「DNAナノポアセンサー」を開発しました。
本センサーに応用したDNAナノポアは、人工細胞膜中でイオンの通り道として働く膜貫通ドメインと、標的分子であるATPに選択的に結合する機能を持つ核酸分子であるATP結合アプタマーで構成されています。本研究グループは、ATPとアプタマーの結合・解離による膜貫通ドメインの可逆的な開閉動作を、ナノポアを通過するイオン電流の変化として計測することで、ATPの選択的検出に成功しました。本技術は、アプタマーの塩基配列を変更することでさまざまな生体分子に応用できる可能性を持っており、創薬や疾患診断などの分野へのナノポア計測技術の応用展開を促進することが期待されます。
本研究成果は、Wiley社が発行する「Small」電子版(現地時間2025年5月2日付)に掲載されました。
本研究は、科学研究費助成事業 基盤研究B(課題番号:23H01822)、学術変革領域研究(A)(課題番号:23H04396)、文部科学省 卓越研究員事業、科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業(課題番号:JPMJFR2028、JPMJFR212H)および、ムーンショット型研究開発事業(課題番号:JPMJMS2217)の支援により実施されました。
<プレスリリース資料>
本文PDF(702KB)
<論文タイトル>
“Specific ATP Detection Using Molecule-Responsive DNA Nanopores”
DOI:10.1002/smll.202409293
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