1.サージアブソーバとは

サージアブソーバは、瞬時に発生する過渡的な異常電圧(サージ)から、電気機器を保護するための部品である。

特に雷サージといわれる異常電圧に対しては、サージアブソーバが有効な対策部品である。

雷サージとは雷によって発生し、電源線、通信線、電気・電子機器に直接又は間接的に加わる短時間で一時的に発生する異常な過電圧及び/又は過電流のことである。

発生した過電圧が電源線や通信線を通って電気機器に侵入し、被害が生じ、その雷サージの影響範囲は落雷地点から数km先にまで及ぶとされている。

雷サージは、次の3つの発生要因がある。

① 直撃雷:
建物の避雷針、アンテナ、送配電線、通信線などに落雷することで発生する。
② 誘導雷:
近傍の樹木や建物に落雷した場合、雷の放電路に流れる電流に起因して静電的・電磁的結合により、建物、送配電線、通信線などに雷サージ(過電圧、過電流)が発生する。
③ 逆流雷:
建造物への落雷時に接地電位が上昇することで、接地(グラウンド)から引き込まれている電源線や通信線へ落雷電流の一部が流入する。
また、近傍への落雷により接地電位が上昇し、接地(グラウンド)から建築物や設備に流入することを逆電流と呼ぶ場合がある。

雷の侵入経路は、①電源線、②通信及び信号線、③アンテナ、④接地線があげられる。
それぞれの侵入経路に対して適切なサージアブソーバを取り付けることで機器を守ることができる。

サージアブソーバは、金属酸化物バリスタ、ガス入り放電管、サイリスタなどの非線形素子から構成されている。
これらの非線形素子が、雷サージなどの過渡的な過電圧を制限し、サージ電流を分流させることで電気機器を保護することが出来る。

雷サージの過電圧に対してサージアブソーバは瞬時に高抵抗から低抵抗になり雷サージを流してその後すぐに高抵抗に戻る機能がある。

2.サージアブソーバの使い方

電気機器の雷対策は、雷サージを電気機器に侵入させないことが重要であり、対策方法としては、絶縁化・電磁遮へい・等電位化などがあるが、サージアブソーバによる対策が一般的である。

具体的には、電気機器に接続された電源線や通信及び信号線にサージアブソーバを設置し、サージ電圧を抑制することで電気機器を保護することができる。

毎年の襲雷シーズン前後および襲雷直後に次のメンテナンスを行う。

  • ケース外装樹脂に変色、変形があればサージアブソーバの交換
  • 劣化機能表示付きサージアブソーバでは、劣化表示の場合、サージアブソーバの交換

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3.サージアブソーバを使う場所

JIS C 5381シリーズにおいてその試験方法や取扱いが詳しく規定されている。
実際の設計に当たっては、電源系では、「回路電圧」、「系統の種類」、「DC・AC」、通信及び信号回線では「信号の電圧」、「信号周波数」、「信号線の数」などを確認した上で最適なサージアブソーバを選定する必要がある。下表に使用用途別のサージアブソーバの試験規格と設置場所の概要を示す。

使用用途 JIS試験規格 設置場所、設置目的など
電源用 直撃雷用 クラスI
電流波形:10/300μs
電力引き込み口等に設置し、建物外へ流出する直撃雷電流に対応
誘導雷用 クラスII
電流波形:8/20μs
建物内部の分電盤等に設置し、建物内部に侵入又は発生する誘導雷電流に対応
クラスIII
電圧波形:1.2/50μs
電流波形:8/20μs
建物内の機器近傍に設置し、建物内部に侵入又は発生する誘導雷電流から機器を保護
通信用
信号用
直撃雷用 カテゴリD1
電流波形:10/300μs
信号線の引込口等に設置し、建物外へ流出入する直撃雷電流に対応
誘導雷用 カテゴリC2
電圧波形:1.2/50μs
電流波形:8/20μs
建物内の機器近傍に設置し、建物内部に侵入又は発生する誘導雷電流から機器を保護

(著)双信電機株式会社