CEマークとは何か

CEマークとは、EU法令に製品が適合していくことを表すものであり、欧州経済地域とトルコに上市される製品に貼付ることにより、製品の自由移動を可能にする表示です。

CEマークは、製品または製造銘板に"見やすく"、"読みやすく"、"消えにくいような表示"が要求されており、仮に極端に機器が小さく、機器本体に貼付することが不可能な場合においても包装や同梱文書に付けることが義務付けられています。

日本企業の海外ビジネス展開することを目指し、欧州のサプライチェーンへの進出において成功を収めるために、重要なCEマークの枠組みを正しく理解していきましょう。

日本の貿易自由化の推進はTPPやEPAなど近年活発となり、とくにEPA(EUの経済連携協定)が2019年2月1日に発効されて以降、ワインや乗用車などの貿易は拡大傾向がみてとれますが、EUへのサプライチェーンへのアクセスに関しては大枠合意として以下の工業製品関税に関する品目が、関税即時もしくは今後の予定として撤廃をしています。

分野 品目 分野 品目
化学 合成樹脂の一部 家電、産業用機械 ディーゼルエンジン(船舶、自動車用除く)
プラスチック製フィルム エアコン
印刷用カラーインキ 産業用ロボット
繊維製品 糸・織物 射出成型機
不織布 リチウムイオン電池
リネン類 ベアリング
鉄鋼 鉄鋼 自動車 乗用車
鉄鋼製のチェーン、ばね バス
鉄鋼製のネジ トラクター
非鉄金属 アルミニウム箔 精密機器 光ファイバー
チタンの粉 マイクロメーター
卑金属製の手工具 回転計、生産量系

しかし、まだ中小企業は自社による直接の輸出をする企業は57.8%にとどまっています。
(参考元: JETRO調査レポートhttps://www.jetro.go.jp/world/reports/2019/01/a27d83f6e1cd38e6.html

それには先行きが不透明として、欧州への進出に一歩踏み出せない企業が多くある印象的で、適合性評価手順の複雑な枠組みがわからず、自社で独自に品質保証システムを作り、EN ISO 9001に基づく基盤を構築し、製造者自陣が自己の組織においてEU法定の必須要求自国に適合することを立証するための実行性の要素分析は手探り状態なところが、その原因の一つであると考えられます。

適合性評価に必要な事は、まず自社で製造された製造物のラインナップの中で、どのシリーズにフォーカスしてEUに進出するかを決めることです。EUの法的枠組みの中にトレーサビリティの要求というものがあり、いつ・誰が・どこで・何を・どのように適合性を立証したかを明確にする義務が課せられています。製品には様々な呼称やオプション仕様が存在しており、さらには国内向けと国外向けでの分類分けや、顧客識別コードを数千以上で割り当てる識別を与えている事も想定されるため、EUに進出するべき型式は明確にすることこそが、最初に取り組むべき課題としてあげられます。

ABC series: ABC-xxx-** (xxx=000~zzz、**=00~zz)
(数千の識別コード例)

量産の時に、識別コード問題でトラブルが生じ、出荷時期の大幅な延期などのリスクは事前に想定しておくことで回避することができます。

最後に適合性評価に取り組むべき品種とEU法令について紹介いたしますので、自社製品がどの種類のEU法令に該当するかを事前に確認しておくこが重要になります。

EU法令には主に以下の法的枠組みがあります。

規則 (Regulation)
指令 (Directive)
決定 (Decision)
勧告 (Recommendation)

この規則はEU加盟国に直接的な法的拘束力をおよぼしていたり、指令は直接的な法的拘束力は適用されず、EU加盟国自身の国内法にて措置を講じるような決まりがありますが、分野別にEU法令をまとめると以下のようになります。

化学薬品
  • 化学物質(REACH)
  • 民生用爆発物
  • 火工品
電気電子分野
  • 電磁両立性(EMC)
  • 爆発性雰囲気の機器(ATEX)
  • 低電圧(LVD)
  • 無線機器(RED)
  • 特定の有害物質の使用制限(RoHS)
建設
  • 建設製品(CPD / CPR)
医療分野
  • アクティブな埋め込み型医療機器
  • 体外診断用医療機器
  • 医療機器(MDD)
消費者と労働者の保護
  • 化粧品
  • おもちゃの安全性
測定技術
  • 測定器(MID)
  • 非自動計量機器(NAWI)
エネルギー効率
  • エコデザインとエネルギーラベリング
機械工学と輸送手段
  • 爆発性雰囲気の機器(ATEX)
  • 機械(MD)

このように、製品分類により要求される事項は多岐に渡るため、国内外を横断した法的専門性と技術的専門性の両立が必須になりますので、初めての海外進出をする企業は公的機関の支援を受けていただくことを強く推奨いたします。

(著)テュフズードジャパン株式会社