1.JIS(Japanese Industrial Standards)とは

JIS(日本産業規格)とは、我が国の産業標準化の促進を目的とする産業標準化法(昭和24年法律第185号。以下単に「法」という。)に基づき 制定される任意の国家規格。自動車や電化製品などの産業製品生産に関するものから、文字コードやプログラムコードといった情報処理、サービスに関する規格などもある。一般的に「標準(=規格)」は任意のものであるが、JISが法令の技術基準などに引用される場合には、強制力を持つことになる(例えば、医用電気機器のEMC規格 JIS T 0601-1-2:2018など)。

なお、2019年7月1日の法改正によって工業標準化法から産業標準化法へと名称が変更になった。規格総数は2019年3月末現在で10,773規格である。

JISは、法に基づく手続きを経て、主務大臣が制定又は改正を行う。また、制定又は改正の日から少なくとも5年以内に見直しが行われ、主務大臣が改正又は廃止を行う。JISの制定等が行われると、官報に名称、番号並びに制定、改正等の別及びその年月日が公示され、その内容は、規格票として日本産業標準調査会に掲載される。

2.産業標準化について

標準化(Standardization)とは、「自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化する事柄を少数化、単純化、秩序化すること」。 また、標準(=規格:Standards)は、標準化によって制定される「取決め」と定義される。

産業標準化の意義は、具体的には、自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化してしまう「製品」や「サービス」などについて、

  • ① 互換性・インターフェースの整合性の確保、生産効率の向上、品質の確保、
  • ② 安心・安全の確保、消費者保護、
  • ③ 正確な情報の伝達・相互理解の促進、
  • ④ 環境保護(省エネ、リサイクル等)、
  • ⑤ 高齢者・障がい者への配慮、
  • ⑥ 研究開発による成果の普及、企業の競争力の強化、貿易の促進

など、それぞれの観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」又は「単純化」することであると言える。

例えば、トイレットペーパーのサイズは日本のJIS規格によって標準化されていて114mmと決められている。真ん中の空洞部分の直径は38mmのものが主流。直径はロールの状態で120mm以下と定められている。この標準化により、日常生活でどこのメーカーの商品を買ってもホルダーに取りつけることができ、困ることなく使用することができる。

JISには、次に示すように固有の番号が付いている。この番号は、部門記号を表すアルファベット1文字と分類番号を表す4桁の数字 (対応国際規格との整合の観点から5桁以上の数字もある。)との組合せからなる。この固有の番号を用いることで、 仕様書、契約書などにおいて規格名称を記載することなく、取引や調達などを行うことができる。

例)JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼
※アルファベットのGは(鉄鋼)区分を表す。
JIS C 61000-4-2 電磁両立性-第4-2部:試験及び測定技術-静電気放電イミュニティ試験
※アルファベットのCは(電子機器及び電気機械)区分を表す。
引用:

(著)グリーンイノベーションセンター