1.電源周波数磁界とは何か
商用電源(50Hz/60Hz)などから発生する電力周波数磁界のことを示します。
この電源周波数磁界を印可し、IECの規格である『IEC 61000-4-8』に定められている試験を実施するのですがそれが次項の「電源周波数磁界イミュニティ試験」となります。
2.電源周波数磁界イミュニティ試験とは何か
この試験は、動作状態の電気・電子機器の50Hzおよび60Hzの電源周波数の磁界に対する耐性を評価するものです。機器の設置場所は以下のように規定されています。
- 居住用及び商業用地域
- 工業用施設及び発電所
- 中圧及び高圧変電所
試験時には、誘導コイルにより試験磁界を発生させ、機器を磁界にさらします。卓上形機器用の標準正方形コイル(1m×1m、1ターン)と床置形機器用の標準長方形コイル(1m×2.6m、1ターン)が規定されています。
誘導コイルを使用して発生させる磁界には、前述の設置場所で発生する定常的な強さの「連続磁界」と事故など保護装置(ヒューズ、保護継電器等)が動作するような瞬間的で大きいな電流による「短時間磁界」がありそれぞれ規定されています。
どの程度の磁界が発生しているかは、磁界測定装置を用いて確認をします。これらのコイルを用いて、EUT(供試体)へ三方向から磁界を印可します。
(地独)神奈川県立産業技術総合研究所