EMC最新動向2019-業界の主要機関がEMCの最新動向を語る特別企画-

IEEE EMC-S 仙台チャプタ
東北学院大学教授
川又 憲

あけましておめでとうございます

2018年1月よりIEEE EMC Society Sendai Chapter (EMCソサイエティ仙台支部) Chairを仰せつかっております東北学院大学の川又でございます。東北地方におけるEMC研究のより一層の推進と活性化に向け微力ながら力を尽くして参ります。皆さまのご指導、ご鞭撻ならびにご協力のほどお願い申し上げます。新年の始めにあたり、貴重な紙面をお借りし当Chapterの活動につきましてご紹介を申し上げます。

昨年も紹介させていただきましたが、IEEE EMC Society Sendai Chapterは東北地方におけるIEEE EMC Societyのブランチの役割を果たすべく2001年にChapterとしての設立を認めていただきました。それ以来、東北地方にてEMC関連技術とその分野の研究に携わる皆さまに向け、技術交流や研究討論の場を提供して参りました。歴代のChapter Chairs (支部長) は、佐藤利三郎先生、高木相先生、杉浦行先生、越後宏先生、井上浩先生、嶺岸茂樹先生、曽根秀昭先生、そして山口正洋先生が務められ、現在、小職が引き継いでおります。

Sendai Chapterの主な行事は、研究集会の主催行事としてSendai Chapter Colloquiumを年に1~2回開催しております。この企画は、1977年から続いている東北大学電気通信研究所・工学研究会の“EMC仙台ゼミナール”と共催させていただき、EMCに関する多くの知見を発信ならびに蓄積して参りました。最近2018年10月のColloquiumでは秋田県立大学の礒田陽次先生ならびに大阪大学の井渕貴章先生を講師にお招きし、礒田先生からは「マイクロ波高効率増幅器とシグナルインテグリティ」、井渕先生からは「パワーエレクトロニクス回路のEMC設計に向けた新たな課題 ~SiC/GaNパワーデバイスのノイズ特性評価~」のテーマでそれぞれご講演をいただきました。近年のスマートホンやウエアラブルな通信機器に実装される高周波増幅回路の低消費電力動作の仕組みや、高速スイッチング化する電力変換デバイスを搭載したエネルギー機器のEMC問題など、最先端の話題に大変興味深い講演となりました。

また、定例的な学術成果の議論の場としては、電子情報通信学会の環境電磁工学研究専門委員会 (EMCJ) と連携し、10月期の東北地区開催研究会を共催させていただき、その他の開催は協賛させていただいております。これらの技術的会合の運営に加え、EMC分野に携わる若手研究者や学生達の研究活動の奨励もSendai Chapterの重要ミッションとなっています。2017年からはEMC-S Japan Joint Chapterと合同で、年間の研究会発表を対象としたJapan Joint / Sendai Chapters Student Awardを設立し、運用を開始したところです。さらに、我が国のEMC国際シンポジウムの開催に合わせ学生研究者の表彰を企画し、今年は6月に札幌で開催されるEMC 2019 SapporoのEMC国際会議においてIEEE EMC Society Japan Joint and Sendai Chapters EMC 2019 Student Awardの企画準備を進めているところでございます。

このようなChapter行事の開催案内などはウェブサイトwww.topic.ad.jp/emc-sendai/で公開し、会員以外のご参加も歓迎しております。さらに一部の活動報告をIEEE EMC SocietyのWebサイト内のEMC Magazineにも掲載しておりますのでご参照下さい。皆様におかれましてはIEEE EMC Society Sendai Chapterの取り組みについてお知り置きいただき、今後の活動へのご指導とご支援をお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。本年もどうぞよろしくお願い致します。