EMC最新動向2019-業界の主要機関がEMCの最新動向を語る特別企画-
あけましておめでとうございます。
電子情報技術産業協会 (JEITA) EMC委員会では、所管の電気・電子機器に要求されるEMCおよびEMFの規格・規制の調査、審議と関連する実験等を行い、国内外関連機関に対し提案活動を推進しています。
当委員会では、傘下に4つの専門委員会を設け活動しています。各専門委員会における今年度の活動状況を紹介することにより、これからのEMCおよびEMFに関する展望についてお伝えします。
マルチメディアEMC 専門委員会
CISPR SC-AおよびSC-I関連規格の審議とCISPRの規格化を見据えて、実際の製品測定と評価に大きく関係する内容の実験等を行っています。
・ CISPR 32における放電ノイズ等のAPD測定に関する調査研究
・FARの電源インピーダンスによる影響の調査
・ 放射電磁界イミュニティ試験に使用するアンプのフロアノイズ評価
また、測定機器の仕様・EMC試験方法等を規定するCISPR 16について、CISPR/A作業班で審議される内容を確認し、動向を把握した上でまとめを行います。
ISM EMC専門委員会
ISM (工業、科学、医療) 機器、大型機器・現場設置機器等のEMC問題について審議しています。
今年度は主にCISPR 11:Ed.6.2への改定、医療機器EMC規格IEC 60601-1-2:Ed.4.1の改定に関する技術的検討を進め、JEITAの意見反映に努めるべく、CISPR/B、CISPR/H、IEC/SC62A MT23の審議に参画しています。
EMC共通技術専門委員会
IEC/SC 77AおよびSC 77Bを中心とした製品共通のEMC課題について審議しています。
SC 77AおよびSC 77Bの多岐にわたる課題の中から、現在以下に関する実験等を行いながら審議を進め、国際規格作成に寄与しています。
・ IEC 61000-2-2電磁両立性レベル (2kHz~150kHz) におけるエミッションレベル評価方法の検証実験
・ IEC 61000-4-2静電気イミュニティ試験の各ガンの比較実験
・IEC 61000-4-6:Ed.3.0とEd.4.0の比較実験
また、JEITAの意見反映に努めるべく、TS C 0058 (電磁両立性-限度値-2kHzを超え9kHz以下の周波数帯における電流エミッション限度値) のJIS化作業、IEC 61000-4-3、IEC 61000-4-11等の審議に参画しています。
EMF専門委員会
電子情報機器から発生する電磁界に対する人体ばく露 (EMF) 及び健康への影響に関連する国内外の情報収集および公開、標準化活動参画や検証実験を通じたユーザの福利推進活動を行っております。
・ EMFに関する新しい評価方法の調査:
5G無線通信機器EMF評価方法
・ 国際的なEMFばく露基準の動向調査:
ICNIRP (国際非電離放射線防護委員会) 高周波領域の改定動向
・EMFに関する規制動向の調査
欧州EMF法令 (無線機器指令、低電圧指令、機械指令など)
・ IEC TC106への委員派遣、規格策定作業へのエキスパート派遣 (IEC MT62311)