EMC最新動向2019-業界の主要機関がEMCの最新動向を語る特別企画-
平成31年の新春を迎え謹んでお慶び申し上げます。
一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会 (JBMIA) は、ビジネス機械およびそれに付随する情報システムの生産、貿易、流通及び消費の増進並びにその改善合理化を図ることにより、ビジネス機械・情報システム産業の統合的な発展を促し、我が国経済の発展と事務能率の向上に寄与することを目的として活動しており、複写機、ページプリンタ、データプロジェクタ、電子辞書およびシュレッダなどに代表されるビジネス機械ならびにそれに付随する情報システム産業分野を担う企業を中心に組織された協会です。
電磁環境専門委員会は、当協会内に設置された技術委員会の傘下においてEMCを扱う専門委員会で、当協会の掌握する製品に関わる国内外の法律、規格、基準等の諸課題を審議するとともに、これらの情報を会員各社に配信し、必要に応じて実験検証を踏まえた協会としての意見をまとめ、国内外関係機関への意見具申等の活動を主に行っています。また、EMCに関する協会内の基準化、標準化を推進や他業種とのEMCに関する技術的な情報共有を行っています。
当専門委員会傘下には、以下の2つの作業班が設置されており、IECやCISPR規格案の検討、各種基本規格や製品規格に対する技術的検証活動を踏まえた積極的な標準化活動や、JIS規格審議への参画あるいは当協会規格であるJBMSなどの審議、改訂、発行などを推進しております。
1) TC77関連作業班
TC77関連作業班では、SC77AおよびSC77B国内委員会に委員を派遣するとともに、主にIEC 61000-4およびIEC 61000-3シリーズの改訂、修正案に対する委員会ドラフト文書の審議などを積極的に実施しています。
昨年度は、新規規格提案であるIEC 61000-4-39 (近接電磁界イミュニティ) 規格の基礎実験検証の結果から試験上の課題や相関性の問題などについて意見具申を行い、国際規格 (IS) の発行に寄与しました。今年度も引き続きTC77で審議中のIEC 61000-4-2 (静電気イミュニティ) やIEC 61000-3-2 (高調波電流) 等の国際規格について審議や必要に応じた実験検証を実施する予定です。
2) CISPR関連作業班
CISPR関連作業班では、CISPR 16規格を担当するCISPR/Aグループや、CISPR 32および35のマルチメディアEMC規格を担当するCISPR/Iグループに委員を派遣するとともに、主にCISPR規格の改訂、修正案に対す委員会ドラフト文書の審議などを積極的に実施しています。
昨年は、マルチメディア機器のイミュニティ規格であるCISPR 35のAnnex Gで規定の音声出力機能に対するイミュニティ要件について、今後の規格改訂への寄与を目的として、その評価方法の問題点及び課題を抽出するとともに、問題解決への手法を検討して参りました。
当専門委員会では昨年に引き続き、関連機関ならびに関連委員会の皆様と協力し、積極的な標準化活動への参画と実験検討等を実施していく予定でございます。本年も皆様にとってより良き年になるよう心よりお祈り申し上げます。