1.放熱フィン

フィンとは、熱交換(放熱性)の効率を上げることを目的として、ヒートシンクなどの伝熱面積を広げるために設けられる突起状のヒレ構造の事を指します。

熱交換(放熱性)能力が必要となる為、熱伝導性の高いアルミニウムや銅で出来ています。

2.フィンの放熱性

電子部品の個体内で発生した熱が、放熱フィンを介して周囲にある空気などの流体と熱交換されることで放熱されます。これを「対流熱伝達」と呼びます。対流熱伝達は、放熱フィンの形状や表面の状態に大きく左右され、周囲にある流体の速度が速ければはやいほど効率が上がります。この流体の速度を上げる為に使用されるのが、放熱ファンです。つまり、フィンとファンの組み合わせ、配置で放熱性が決まるということです。

《効率良く放熱させる方法として》

  • ① 放熱フィンの表面の面積の広さを大きくすること。
  • ② 放熱フィンに対する空気の対流を良くすること。(自然対流または強制対流)

しかし、フィンはアルミや銅等金属素材を採用しているため、大型化に伴い重量が増し、設置する装置やデバイスに負担をかけ輸送中に脱落して破損してしまうなどのリスクがあります。重量級の放熱フィンは1kgを超える製品も存在し、装置の故障や不具合の原因となることから負荷を分散させるなどの工夫が必要です。

CPUクーラーとしてフィンを利用するケースも多いですが、CPUに直接触れる土台の部分を「ベース」と呼び、ベースを介してCPUの熱を「放熱フィン」に伝えるという構造になっています。CPUの純正クーラーのようにベースと放熱フィンが一体になったものを「ヒートシンク」と呼ぶ事もあります。

上記では「冷却」という観点から放熱フィンを紹介しました。

一方で、例えばオイルヒーターなどもこの放熱フィン構造で覆われていますが、その目的は過熱を防ぐというより、室内への放熱を促して部屋を暖かくすることにあります。このように、同じ放熱という用途でも、発熱体に着目するか(冷却)、発熱体の周囲大気に着目するか(加熱)で、求める目的は異なる場合があります。

このため、放熱フィン構造は、冷却器というより、広く「熱交換器の一種」と考えると理解がしやすいと考えられます。発熱体の高温と、周囲大気の低温が交換され、発熱体は温度が下がり、周囲大気は温度が上がるという理論です。

3.フィンの取り付け方

放熱フィンの取り付け方向は、大きく「垂直取り付け」 と「水平取り付け」の2つに分類されます。垂直取り付けとは、放熱器の断面を上下にした取り付け方です。また、水平取り付けとは、放熱器の断面を横方向にした取り付け方です。

4.フィンカタログデータの見方

放熱器のカタログ・データの見方ですが、一般にカタログには製品名と外形図に加えてグラフと表が記載されています。表にはグラフの代表値が掲載されています。グラフは放熱器の性能の指標である熱抵抗を表していますが、自然空冷と強制空冷では、グラフの横軸と縦軸の項目が異なります。

放熱器の放熱性能は、測定条件によって変わります。そのため、カタログ・データに記載されている 数値を見て放熱器を選定する際は、測定条件を把握することが重要になります。カタログ・データの測 定条件よりも厳しい環境で放熱器を使用する場合は、 放熱性能が足らなくなり、放熱器の選び直しになることがあるので注意が必要です。

カタログには、データを測定したときの条件が掲載されています。自然空冷の場合は、放熱器の取り付け方向や熱源のサイズ、温度測定を行った場所、基板の有無などがあります。また、強制空冷の場合は、風速の測定場所や風洞サイズなどがあります。このように様々な条件下で測定した場合の放熱性能が記載されておりますので、実際に使用する環境と照らし合わせて選定しないとミスマッチが起きてしまいます。

図1 放熱器の各部の名称
放熱器

(著)株式会社 佐藤製作所