EMC対策・設計とノイズ対策の基礎技術

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EMC・ノイズ対策入門技術ガイドEMC対策・設計とノイズ対策技術とは

ノイズ対策(EMC対策)の現状

IoTが促進され、小型化、高機能化が進む電子機器の基盤には多くのICや受動部品が高密度で実装されています。部品同士の間隔がとても狭く、部品間の電磁干渉が起きやすい状態です。
またCPUなどのクロック周波数も非常に高くなっていることや、多機能化が進みクロックの種類が増えていることも複雑な放射ノイズ発生の原因となります。

一方、機器のハウジングは軽量化や廉価化によってプラスチック化が進んでいます。
これは電磁波を漏えいしやすい構造です。

このように、多くのノイズ要因を考慮したレイアウトや配線、的確なノイズ対策部品(EMC対策部品)の実装が必要となります。

▽ノイズ対策(EMC対策)に関連する用語を下記にまとめております。
<ノイズ対策(EMC対策)関連用語集>

ノイズ対策部品(EMC対策部品)の必要性

ノイズ対策部品(EMC対策部品)は本来使用したくはない部品です。しかしノイズレベルが法規制の規制値をオーバーしたり、誤動作が発生した場合にはしなくてはならない部品になります。

まずは電波暗室やオープンサイトでノイズ測定を行います。
そこで正確なノイズレベルの把握、ノイズ発生個所の特定を行い、最適なノイズ対策(EMC対策)を決めます。
その後、具体的なノイズ対策(EMC対策)を施し確認測定を行います。

そこでノイズ規制値や客先要求値を満足していることが確認されれば、ノイズ問題が解決したこととなります。
ノイズ問題をよく分析し、症状に合ったノイズ対策(EMC対策)を施すことが重要となります。

ノイズ対策(EMC対策)に関連する規格・試験

電磁環境の悪化を防止するため、電子装置のEMIに対して規制があり、様々なノイズに対して誤動作による損害が発生しないようにイミュニティ性能についても達成すべき水準があります。どちらにも定量的な規格があり、法的な強制力を有しています。
つまりそれぞれが的確にノイズ対策(EMC対策)を実践できていなければ、製品を販売ならびに使用することができないのです。

実際にはそれぞれの規格が定めた方法でノイズ対策(EMC対策)に関する測定や試験を行い、規格をクリアしていることを証明する必要があります。

図2にノイズ対策(EMC対策)に関連する主な測定と試験の種類を示します。

※ここに掲げている測定や試験の名称は一般化した物を使用しており、具体的にはそれぞれの規格に型番と名称があります。

▽詳細な規格情報に関しては下記をご参考下さい。
<ノイズ対(EMC対策)策関連規格>

そしてノイズ対策(EMC対策)の最終的な関門であるEMC試験ですが、日本国内には様々なEMC試験サイトがありそれぞれの試験所には特色があります。対応している規格、備えている設備、在籍するEMCエンジニア、等々、自社に合った試験所を選定することが望まれます。

CENDでは日本全国のEMC試験所の最新情報を掲載しております。

▽ノイズの基準を満たしているかを試験する場所の選定
<EMC試験サイト検索>

ノイズ対策部品(EMC対策部品)

ノイズを除去する方法は大きく分けて4つに分類されます。

▽反射
ノイズ源側にノイズ成分だけを押し戻し、信号成分だけを通過させる。
▽吸収
ノイズ成分を対策部品で吸収し、熱エネルギーに変換する。
▽バイパス
ノイズ成分をグランドに逃がす。
▽シールド
シールドを使用することで放射ノイズ対策(EMC対策)を行う。

伝導ノイズは信号ラインを伝わるだけでなく、ケーブルなどのアンテナとして機能する箇所が存在すると、しばしば放射ノイズに変身します。このため伝導ノイズ対策(EMC対策)は放射ノイズ対策にもなります。
ノイズ対策部品(EMC対策部品)にはシールド材の他に、ケーブルに取り付けて放射ノイズを吸収し熱エネルギーに変換するフェライトコアや、ノイズを反射、吸収、バイパスする基板実装タイプの色々なノイズ対策部品(EMC対策部品)があります。

図3はSMDタイプの基盤実装用ノイズ対策部品(EMC対策部品)の一覧です。
▽フィルタを用いるフィルタリング
例:コンデンサ、EMI除去フィルタ、フェライトコア、コモンモードチョークコイル、等々
▽シールド材を用いたシールディング
例:ケーブルのシールディング、シールディングテープ、電磁波吸収シート、電磁シールド材、磁気シールド材、等々
▽グランドをとることでノイズ対策(EMC対策)するグラウンディング
例:ストラップ、クランプ、等々

インダクタやコンデンサは様々な用途に使用される汎用部品ですが、全体の60%はノイズ対策部品(EMC対策部品)と見なされます。ノイズ対策(EMC対策)を効果的に行うには、信号成分とノイズ成分を的確に切り分けることが必要です。
切り分ける方法としては、

  • 周波数の違いのよるもの
  • 電圧レベルの違いのよるもの
  • 伝播モードの違いのよるもの

の3つがあります。
つまり信号成分は周波数が低く、ノイズ成分は周波数が高いとの前提に立ったもの、信号成分は電圧が低く、高い電圧成分があった場合はノイズとみなすもの、ディファレンシャルモードで伝播するのはノイズ成分とみなすもの、などです。

CENDでは様々なノイズ対策部品(EMC対策部品)を検索可能です。

▽ノイズ対策部品(EMC対策部品)の選定に
<ノイズ対策部品(EMC対策部品)検索>

ノイズ対策(EMC対策)の効果

対策部品で行うノイズ対策(EMC対策)とは、対策部品を挿入することにより、ノイズのレベルを下げることです。この下がるレベルは、ノイズ対策部品(EMC対策部品)の性能の他、使用環境条件によって変わります。そのため同じノイズ対策部品(EMC対策部品)を使用しても、使う場所、使っている状態により異なります。
また、ノイズ対策部品(EMC対策部品)の効果表示も一定の約束をされた使用環境条件での結果の為、これがわからなければ正確に活用はできません。

ノイズ対策部品(EMC対策部品)を挿入することにより下がるレベルの大きさは、ノイズ対策部品(EMC対策部品)の性能とノイズ対策部品(EMC対策部品)の使用環境で決まります。ノイズ対策部品(EMC対策部品)の性能は、

  • ノイズ対策手法(方式)
  • ノイズ対策部品(EMC対策部品)の回路
  • ノイズ対策部品(EMC対策部品)の素子の定数
  • 浮遊容量、残留インダクタンスなど、ノイズ対策部品(EMC対策部品)の劣化要因

で決まります。
また上記に記載した通り、ノイズ対策部品(EMC対策部品)で行うノイズ対策(EMC対策)の効果は、ノイズ対策部品(EMC対策部品)の性能だけでなく使用環境も重要な要素となり、主には

  • 入力インピーダンス
  • 出力インピーダンス
  • 接続用のグランドの残留インダクタンス
  • 定在波の発生環境

などがあります。
ノイズ対策部品(EMC対策部品)の正味の対策効果を測定するときは、ノイズ対策(EMC対策)効果に影響を与える要因を無くすか、標準化する必要があり、入力インピーダンスと出力インピーダンスは多くの場合50Ωに標準化され、グランドの残留インダクタンスは通常の使用状態よりはるかに小さくなるように工夫された冶具を用いて測定します。
また測定系では大きな定在波が立たないよう10dB程度のアッテネーター(絶縁減衰器)を試料の両端に入れたり、方向性結合器が入った測定計で測定しています。