磁気シールド 比較検索・メーカー一覧

1.磁気シールド比較検索・メーカー一覧で最適な製品検索を

本ページは磁気シールドの比較検索・メーカー一覧ページです。CENDに掲載されている各メーカーの磁気シールドの「製品画像/製品名(シリーズ名・通称・型名・型式など)/製品の特長/メーカー名」の検索結果を一覧表示しています。各磁気シールドの製品をクリック頂ければ、製品仕様やメーカー情報などの詳細を表示するページをご覧頂くことが可能です。詳細ページでは、各メーカーへの見積り依頼やお問い合わせも可能となっており、CENDから見積り・お問い合わせ頂くと月刊EMCをもれなくプレゼントさせて頂きます。

磁気シールドの製品仕様やメーカーなどでさらに絞り込み検索・一覧表示をしたい場合は下記の『ノイズ対策部品・EMC対策部品検索・一覧ページ』より製品検索をお願いします。また、「磁気シールドとは何か」を知りたい場合は下記の『磁気シールドとは』をご覧下さい。

2.磁気シールド材の基本

磁気シールドとは、磁気をシールドする材料・塗料などのことを示します。
磁気をシャットアウトしたり、減衰させることを目的としたシールド材として使用されます。

磁気シールドの一例として、医療機関で使われているMRI装置のシールドルームを取り上げます。MRIは強力な磁場を発生させ、体内の断面画像を作る装置ですが、その強力な磁場を診断室の外に漏らさないため、壁や床・天井に磁気シールドを施します。具体的には、電磁鋼板(厚さ0.5mm等)を重ねて配置し、室外で基準値5ガウス(磁場の単位)以下に納めます。5ガウスという基準は、ペースメーカーに誤動作を生じさせない範囲で、ペースメーカーを付けた患者さんが、室外の通路に居ても安全である事を求めています。

シールドルーム施工会社は、高価な電磁鋼板を効率的に配置する必要があります。その配置は経験に基づいたり、MRIメーカから指示がありますが、もう一つの手段としてシミュレーションがあるわけです。

図1. MRIシールドルームの間取り
図1 MRIシールドルームの間取り
図2 シミュレーションモデル
図2 シミュレーションモデル(窓・ドア・床穴と各壁のシールド枚数を設定します)
図3 フィリップス社製1.5テスラ装置の磁場分布
図3 フィリップス社製1.5テスラ装置の磁場分布
(赤線が5ガウスラインで室外に漏れていません)
図4 同3.0テスラ装置の磁場分布(MRI本体側と右上凹部で室外に漏れています)
図4  同3.0テスラ装置の磁場分布(MRI本体側と右上凹部で室外に漏れています)
3.0テスラ装置はより強力な磁場を発生していて、MRI本体側では、シールド材がその磁場を吸収できず(鉄が飽和して)漏れたのです。5ガウスラインの範囲も拡大して、右上凹部はシールド0枚のため、室外に漏れています。
図5 シールド枚数を増やし対策したときの磁場分布
図5 シールド枚数を増やし対策したときの磁場分布
(室外の漏れはなくなりました)
図6 枚数を若干減らし、コストパフォーマンス最適化を検討した結果
図6 枚数を若干減らし、コストパフォーマンス最適化を検討した結果
MRI本体側で若干の漏れがありますが、ほぼシールドされています。右上凹部でも若干漏れています、角部は磁場が漏れやすいので、この付近の枚数を増やしたり工夫が必要です。
図7 側面から見た磁場分布
図7 側面から見た磁場分布
図8

5ガウスラインは天井まで届かないので、天井側は漏れていません。床には5枚シールドしていますが、MRI装置の直下はシールド穴を設ける必要があります(今回は2m四方)。そのため漏れが確認できます、ただし階下に患者エリアが無ければ問題ありません。図8のように、患者エリアがある場合は、床穴下部にシールドを設置したり対策します。

最後に図9,10,11のように、3次元的に磁場分布を確認して終了です。シールドシミュレーションの結果と実測とでは若干差があります、完全に実際と同じモデル化は困難なためです。実測による確認作業は必要と思われます、ただ大幅のコスト削減の検討に威力発揮することが出来ます。

図9
図10
図11
【著 株式会社ミューテック】