【CISPR32/35】CISPR 杭州会議 I 小委員会報告(月刊EMC)

2018.9.11 更新
【CISPR32/35】CISPR 杭州会議  I 小委員会報告(月刊EMC)

【筋電義手のブロック構成図】

 CISPR I 小委員会(Sub-Committee I:SC-I)は、近年の放送受信機器、AV 機器、IT 機器の融合と多様なマルチメディア機器の普及に対応するため、2001年に英国のブリストルで開催された CISPR 総会で、旧 E 小委員会(SC-E)が所掌していた「音声・TV放送受信機及び関連機器」及び旧 G 小委員会(SC-G)が所掌していた「情報技術装置(ITE:Information Technology Equipment)に、新たに「マルチメディア機器(MME:Multimedia Equipment)」を加え、「放送受信機、マルチメディア及び ITE に対するエミッションとイミュニティの許容値・測定法」を審議する小委員会として設立された。

 その後、SC-I は作業班(WG)の業務分担の見直しによる組織の変更を経て、4 つの WG 及び 1 つのプロジェクト(PT)で、マルチメディア機器等のエミッション及びイミュニティ規格および電源線搬送通信(PLT:Power Line Telecommunication) の妨害波規格の検討を進めてきたが、PLT のプロジェクトは 2010 年 5 月末をもってステージゼロとなり、その後の活動は休止されている。また、2012 年 11 月にタイ・バンコックで開催された SC-I 会議に SC-Iの組織改編案が上程され、SC-I が所掌する全てのエミッション規格の修正と改定を第二作業班(WG2)で、また同様に、SC-I が所掌する全てのイミュニティの修正と改定を第四作業班(WG4)で所掌することが決定された。

 この決定により、SC-I は、
① WG2:SC-I が所掌する機器のエミッション規格である CISPR 32 の修正と改訂の検討を担当。
 CISPR 13 と CISPR 22 は 2017 年 3 月 5 日をもって廃止される予定であり、これらの規格の修正と改訂に関するメンテナンス作業は終止された。)
② WG4:SC-I が所掌する機器のイミュニティ規格である CISPR 20、CISPR 24、CISPR 29 の修正と改訂および CISPR 35 の発行に向けた検討を担当。
の体制で国際標準化の検討を進めてきた。

 WG2 では現在、2015 年 3 月に発行された CISPR 32 第 2.0 版の修正と改訂に向けたメンテナンス作業が本格化しており、一方 WG4 では、検討開始以来 15年の歳月を経て 2016 年 8 月に発行された CISPR 35初版のメンテナンス作業が開始された段階である。

 本稿では、2015 年 9 月の SC-I ストレーザ(イタリアのミラノ郊外)会議以降に開催された SC-I のWG2 および WG4 会議での審議結果も含めて、2016年 11 月 2 日~ 11 月 3 日に中国・杭州で開催されたSC-I 杭州会議の審議状況を報告する。

続きは『月刊EMC No.352』にて


【月刊EMC No.352 目次情報】

<特集>
◇基礎講座!EMC 設計とシミュレーション
・EMC 設計の基礎
 (拓殖大学 高橋丈博)
・ケーブル・プリント基板・筐体の放射ノイズに関する数値シミュレーションの基礎事例
 ((株)JSOL 志賀章紀)

<Technology>
・パワーエレクトロニクスのEMCーEMC 設計の基礎
 ((株)e ・オータマ 佐藤智典)
・ウェアラブルECG におけるコモンモードノイズ除去回路
 (名古屋工業大学 王建青)

<Information>
・CISPR 杭州会議 I 小委員会報告(IT、マルチメディア機器及び受信機のEMC)
 (情報通信審議会情報通信技術分科会 雨宮不二雄)

<New&Now 規格・規制情報>
・半導体EMI 試験規格とVDE 法解説
 ((株)東芝 生産技術センター 飯田幹也)

<実践講座>
・対策事例に学ぶパワーエレクトロニクスのノイズ対策 ⑤
 ノイズ障害対策編(その2)
 (双信電機(株) 碓氷哲之)
・EMC測定・試験のポイント-2.EMC測定・試験は何故必要か
 規制の法的枠組みと動向 ⑥
 イミュニティ規格の必要性と規格値・試験法に関する基本的な考え方
 ((株)ノイズ研究所 石田武志、(株)東陽テクニカ 中村哲也)
・製品の信頼性を高めるLSI のEMC 設計 ⑥
 現象別半導体集積回路の電磁両立性検証(2)
 (ローム(株) 稲垣 亮介)

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