【Top 10 Product Categories in the last 5 years
(2013,2014,2015,2016 and 2017)】
長年にわたりIEC 60065 でカバーされてきた音響・映像機器、並びにIEC 60950-1 でカバーされてきた情報・通信技術機器、これらの製品群を一つの規格でカバーする新しいハザードベース規格、IEC 62368-1 第2 版が2014 年2 月に発行されておよそ4 年半が経過しました。現状は移行期間として旧規格のIEC 60065/IEC 60950-1 と新しいIEC62368-1 が並行した選択肢として共存している状況ですが、欧州の整合規格EN 62368-1 において当初設定されていた旧規格の失効期限(DOW:2019年6 月20 日)まで1 年を切り、該当製品の製造者をはじめ関係者の皆様は、新規格の導入への動きを開始されていることでしょう。約5 年の移行期間として当初2019 年6 月20 日に設定されたDOWは、その後2020 年12 月20 日に延期され、この日程がEU の低電圧指令(LVD)の旧規格による適合性推定の停止日に採用され、さらに北米のUL認証の発効日(Effective Date)にも採用されたことにより、旧規格を使用できる有効期限が18か月延長されるという猶予が確定したところです。
これと並行してこれらのIEC 規格の開発を管轄するIEC TC108 が開発を進めていたIEC 62368-1 第3 版が加盟各国のNational committee による審議・投票を経て可決され、2018 年10 月4 日に発行されました。このような状況で、改めてこの新規格のIEC62368-1 の概要を再確認しつつ、旧規格からの移行スケジュール、現在の第2 版から第3 版への主要な変更点等をご紹介いたします。
IECEE のCB スキームでは、IEC 60950-1 が適用される情報技術機器のカテゴリー[OFF] とIEC 60065が適用される音響・映像機器のカテゴリー[TRON]の2 分野が、過去5 年間のCB 全認証数の42% を占めています。この二つの製品カテゴリーを一つの規格でカバーし、従来のIEC 60065、IEC 60950-1 に置き換わる新規格がIEC 62368-1 で、これに対応する製品カテゴリーの略号は[ITAV] となりました。規格の移行が完了し、IEC 62368-1 に一本化されればCB スキームという相互認証制度の中で[ITAV] は最も認証数の多いカテゴリーになり、IEC 62368-1 は最も使用頻度の高い安全規格であることになります。
従来の[OFF] と[TRON] はマルチメディア機器の増加や使用者、使用環境、使用目的等の共通化などで、製品カテゴリーの境界が曖昧になり規格の共通化が望まれていました。また、インターネットや記録媒体、通信技術の発達など、技術革新の著しい分野でもあり、新製品・新素材・新技術の導入に従来の安全規格が対応しにくいという短所を補う新しい両カテゴリーの共通規格として、IEC 62368-1 が開発されました。従来のIEC 60065 とIEC 60950-1 を単純に合体させたものではなく、Hazard Based Safety Engineering(HBSE)という概念に基づいて開発された新しい安全規格です。
続きは『月刊EMC No.368』にて
<新製品とEMC [11]>
・遠隔監視システム「コルソス CSDJ-A」
(NEC プラットフォームズ(株))
・IEC 62368-1(J 60950-1)オーディオ・ビデオ、情報通信技術機器の安全規格
((株)UL Japan 金野郁郎)
・CISPR 32 第2.0版解説
マルチメディア機器のエミッション規格の解説と今後の動向
(情報通信審議会情報通信技術分科会 雨宮不二雄)
<特集>
◇基礎講座「EMC設計とシミュレーション」
・モーメント法によるEMCシミュレーションの基礎
((株)JSOL 坪井成文)
・イントロダクションーEMC設計の基礎、EMCの規格と規制ー
(拓殖大学 澁谷昇)
<Technology>
・超広帯域(UWB)無線の電波法最新状況とEMC対策
(横浜国立大学 河野隆二、小林匠)
・光トランシーバでの高速化と低ノイズ
(住友電気工業(株) 大森寛康)
<New&Now 規格・規制情報>
・EN 300 328規格の解説
2.4GHz ISM帯域の無線機器規格
(コンチネンタル・オートモーティブ(株) 橋本直樹、テュフ ラインランド ジャパン(株) 張品)
・ISO 13482を活用した医療機器のCEマーキング(欧州MDD)の認証
((一財)日本品質保証機構 清水雄一郎)
・IEC 62282-3-100/201の概要解説
燃料電池発電システムにおけるEMC規格
(田島收技術士事務所 田島收)
・IEC 62920 Ed.1 概要解説
製品EMC規格 太陽光発電システム用パワーコンバータ
((一社)日本電機工業会 出口洋平)
<Information>
・UU数が20万人を突破した、EMCポータルサイト『CEND』で見えるEMC業界
(月刊EMC 編集部)
<実践講座>
・パワーエレクトロニクスとノイズ対策④
ディジタル回路のアナログ回路との違い
ディファレンシャルモードとコモンモード
(大島研究所 大島正明)
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