【EMC環境フォーラム】パワーエレクトロニクス装置とEMC(CEND編集部)

2019.9.25 更新
【EMC環境フォーラム】パワーエレクトロニクス装置とEMC(CEND編集部)

[本セッションのチェアパーソン]
大島研究所 大島 正明 氏

EMC業界で最大の規模を誇る『EMC環境フォーラム』が、11/8(金)に池袋サンシャインにて開催される。
EMC環境フォーラムは、次世代EMC研究会が主催する、本年で25回目を迎える大型フォーラムだ。

本年は10テーマの技術セッションが開催される。
今回はその中の1つ「パワーエレクトロニクス装置とEMC」のセッションを紹介する。


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セッションタイトル

パワーエレクトロニクス装置とEMC

チェアパーソン

大島研究所 大島 正明 氏

セッション概要

現代を生きる我々の身の回りでは、パワーエレクトロニクスを利用する様々な装置が活躍しています。この傾向は、今後益々顕著になるものと想定されます。
パワーエレクトロニクス装置は、エネルギーを伝達する電力そのものをスイッチングしているので、本質的に強いノイズを発生しやすい特質があります。このセッションでは、パワーエレクトロニクス装置を取り巻く環境、新技術、ノイズ問題と対策技術について第一線でご活躍の専門家が掘り下げた講演を行います。


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講演概要

第1講演 コモンモードノイズの定量的な取扱い法/大島研究所、IEC TC77国内委員会幹事 大島 正明 氏
【概要】
インバータなどのパワーエレクトロニクス装置では、コモンモード電位変動を生ずることがよくあります。大地に対して静電容量のある回路(例えば、ケーブル)にコモンモード電位変動が発生すると、大地にコモンモード電流が流れることになります。そのため、ノイズ電波が放射されて、周囲にある機器に妨害を与えてしまいます。
本講演ではまず、コモンモード電圧、電流を数学的に正確に定義した後、回路におけるそれらの定量的解析法を解説します。また、モード変換とは何かについても示します。最後に、コモンモードノイズの効果的な抑制法を説明します。

【講演目次】
1.コモンモードとパワエレ装置
2.コモンモードとディファレンシャルモード
3.コモンモード電流と電磁波放射
4.モード変換
5.コモンモードノイズ抑制法
6.質疑応答

第2講演 電力系統の安定化に協調する系統連系インバータの多機能化と国際規格の状況/電気安全環境研究所(JET)、IEC TC82(太陽光発電)及びTC8(電力供給システム)のエキスパート 篠原 裕文 氏
【概要】
近年、電力系統に接続される分散電源の件数と容量が増えていることを背景として、電力系統の電圧、周波数の安定化に協調して運転する分散電源の機能を規格化しようとする動きが始まっています。
本講演では、国際規格の中で、分散電源に対して新たに求めることが検討されている系統連系機能を中心に、できるだけ具体的、かつ分かり易く紹介します。

【講演目次】
1.電力系統と分散電源
2.分散電源へ要求が検討されている新たな機能
3.新しい機能の課題
4.各国の対応状況
5.IEC国際電気標準規格の動向
6.質疑応答

第3講演 鉄道のEMCの特徴と最近の事例/交通安全環境研究所 渡邉 朝紀 氏
【概要】
電気鉄道は、レールを給電に使用しており、当初からその時代の技術に応じて、各種のEMC 案件に対応してきました。電気鉄道の電力回路は長大なループを構成しており、回路近隣には他の電気電子設備があります。大電力と微小電力の制御が共存するなどの特徴があり、非常に複雑な様相を呈しております。これらの特徴と、海外を中心としたEMC の様々なトラブル事例、及び電気鉄道のEMC への対処技術について概要を紹介します。

【講演目次】
1.電気鉄道のEMCの特徴
2.鉄道のEMCトラブル事例
3.鉄道のEMCへの対処
4.質疑応答

第4講演 無停電電源システム(UPS)の最新動向およびEMC/東芝三菱電機産業システム㈱、IEC SC22H(無停電電源システム)エキスパート 森 治義 氏
【概要】
情報処理・通信システムの拡大、工場の自動化・生産効率向上などのために停電・瞬低対策範囲が拡大しており、これに伴って増大するUPS の損失を低減することが重要な課題となっています。大容量の停電・瞬低対策用UPSについて、高効率化の最新技術動向を紹介します。さらに、UPS でのEMC に関する障害事例を紹介します。

【講演目次】
1.UPSの必要性と動作概要
2.常時インバータ給電方式UPSの大容量・高効率化技術動向
 2-1.大容量化動向
 2-2.高効率化動向
3.UPS関連の規格-出力電圧性能
4.UPS関連の規格-EMC
5.UPSのEMC障害事例
6.質疑応答

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