【CISPR35】CISPR35が付則で規定している機能別性能判定基準(付則E及び付則F)(月刊EMC)

2020.1.16 更新
【CISPR35】CISPR35が付則で規定している機能別性能判定基準(付則E及び付則F)(月刊EMC)

2-5 付則E(規定) 楽音発生機能
 付則E は、制御データによって楽音を発生する機能を有するるMME に適用する付則(規定)である。
(1)E.1 適用
 楽音発生機能は、キーボードコントローラや他の制御装置からの制御データに従って、個別に独立した変更及び制御される音程、音量や音色を有する楽音を再生する機能である。楽音発生機能を有する機器の例を以下に示す。
 ・電子ピアノ、
 ・電子オルガン、
 ・シンセサイザ、
 ・キーボードのない楽音発生器
 時計、電子レンジ、タイマ等の機器から一般的に出力されるアラーム、警告、時報、及び単純なフィードバック「ビープ音」のような単純な音は、付則Eの適用除外となっている。
(2)E. 2 動作モード
 楽音の発生は、自動再生もしくはデモンストレーションモードを使用して行い、試験中に楽音発生によって発生した音は、妨害信号の影響を受けないときに発生した音と比較する。試験に使用される音のシーケンスは、単純な音楽のフレーズ(音符のグループ)の組み合わせ(例えば「ドレミ」の繰り返しの演奏)を使用しても良い。
(3)E. 3 性能判定基準
① E.3.1 共通
 楽音発生機能を評価するための特定の性能判定基準は、CISPR 35 初版の付則E のE.3.2、E.3.3及びE.3.4 で規定されている。
② E.3.2 性能判定基準A
 性能判定基準A は、以下に示すように機器の種類と用途に従って細分化されている。異なる機器タイプに対応する3 つのサブグループが表E.1に示すように定義されており、対応する性能判定基準A1、A2、及びA3 に区分されている。
 性能判定基準A1、A2、及びA3 のそれぞれについての説明は、表E.2 に示されている。EUT がどのサブグループに該当するMME であるかの選択は、製品仕様に基づく製造者の判断に委ねられている。
③ E.3.3 性能判定基準B
 試験中に発生する、表E.2 の性能判定基準A1 で定義された性能判定基準を超える性能低下は許容される。しかしながら、期待されるレベルを6 dB 以上超える急激な音量増大は許容されない。
 試験後、EUT は正常な動作に自己回復することが必要である。
 MIDI プロトコルの通信エラーにより意図しないトーン保持が発生した場合は、EUT は、製造者の説明書に従ってユーザの操作よる制御動作により再初期化することができる。
 MIDI プロトコルの特性のために意図しないトーンの保持がMIDI 通信欠損エラー(例えば、「 NOTE OFF」メッセージの欠落)によって発生した場合は、使用者の介入を可能にするために性能判定基準B を変更する必要がある。

続きは『月刊EMC No.381』にて


【月刊EMC No.381 目次情報】

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・CISPR 35が付則で規定している機能別性能判定基準(付則E及び付則F)
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