中国におけるEMC に関する認証制度【CCC 認証】(月刊EMC)

2020.6.25 更新
中国におけるEMC に関する認証制度【CCC 認証】(月刊EMC)

【強制製品認証制度における担当機関】

【はじめに】
 昨今の電気・電子機器においては情報処理装置の呼称がIT からICT と変遷したように関連する製品も規制も変化しています。現在における世界最大級の市場、中国人民共和国(以下、中国)に製品を流通させるには、電気製品の場合、電気安全、無線を含む通信、省電力、環境保全、そして電磁適合性すなわちEMC に関する規制に適合しなければなりません。中国も日本と同様に縦割り行政となっており、各規制ごとに対応している所轄官庁が異なり、申請を行う上でも様々な手法や要求が存在するため、認証制度の理解も困難になっています。今回は中国のEMC に係わる認証制度の中でも、特に情報処理装置(ITE)について説明いたします。

【制度の概要】
 中国において、EMC 規制は安全認証制度に含まれる形で実施されています。過去には複数の制度が存在していた中国の安全認証制度ですが、WTO 加盟という国際化に伴い、認証制度を統一し、制度自体の管理水準を向上させようという目的で、2002 年5 月1 日に強制製品認証制度を導入しました。もちろん背景には劣悪な製品品質の大幅な改善というもくろみがあったことはいうまでもありません。以前は、輸入商品安全品質許可書(CCIB マーク)、安全認証合格証書(長城マーク)が並行して存在し、輸入業者や海外の製造業者には非常にわかりにくい認証制度となっておりました。国際社会との連携や国内の製品品質の向上と規制という観点からも、効率的な制度とは言えませんでした。そのような背景もあり、公布から1 年余りの試行期間を経て、2003 年8 月1 日に旧制度を廃止し、全面的に新制度に移行されました。これほどの短期間で新制度を実施させたことは、中国の国際化に対する並々ならぬ覚悟の現れといえるでしょう。
 制度が適用される電気・電子製品は、非常に多岐にわたっており、紙面に掲載するにはスペースも少なく、既に多くのウェブサイトなどでも掲載されているのでここでは掲載を控えました。

【監督官庁】
 中国が縦割り行政であることはすでに言及していますが、本規制にもいくつかの機関が関連しています。2018 年3 月に実施された中国政府の組織改革において、認証制度に関わる組織にも変更が行われました。すでに名前だけの機関も存在しており、正確に把握することは非常に困難です。以下にこの制度に関係する中国国家関連機関の名称と役割を記載しました。

続きは『月刊EMC No.386』にて


【月刊EMC No.386 目次情報】

<新製品とEMC>
・ドライブレコーダー「VREC-DS500DC」
 (パイオニア(株))
・CISPR 規格の装置クラス分けと許容値決定の経緯について
 ~ CISPR/B における検討を一例として~
 (NTT ネットワーク基盤技術研究所 秋山佳春)

<特集>
◇車載機器のノイズ/EMC対策
・車載通信におけるEMC・ノイズ対策
 (ルネサスエレクトロニクス(株) 長沼健)
・新しい高耐熱電磁波吸収シートの開発と展開
 (デュポン帝人アドバンスドペーパー(株) 成瀬新二)

<Technology>
・自動運転へ向けたセンシング技術
 LiDAR を中心とするセンシング技術とノイズ付加による性能向上
 (芝浦工業大学 伊東敏夫)
・自動運転・車載電子機器の安全性向上
 自動車の雷故障対策
 (中部大学 山本和男)
・電動化・軽量化におけるシールド効果・電波吸収特性
 自動車に用いる材料のシールド試験、電波吸収試験および自動車のEMC試験
 (キーコム(株) 鈴木 洋介)

<New&Now 規格・規制情報>
・世界最大級の市場 中国のEMC 規制・CCC 認証
 中国におけるEMCに関する認証制度
 ((株)トーキンEMC エンジニアリング 志田浩義、杉田奈実子)

<Information>
・IEC 62471 Ed. 1.0 概要解説
 ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
 ((一財)電気安全環境研究所 岡村尚幸)

<実践講座>
・電動化とEMC⑤
 車載電子機器のEMC対応設計について[1]
 ~伝導流入出雑音電流を増大させにくい回路基板設計と金属筐体への装着~
 ((株)クオルテック 前野剛)
・サプライヤーの実務視点でみた車載電子機器のEMC対策①
 車載電子システムとEMC性能要求事項との関係
 ((株)今仙電機製作所 山野上耕一)
・EMC測定・試験のポイント.2. EMC測定・試験は何故必要か
 規制の法的枠組みと動向⑬
 自動車のEMC規制(ESA)
 ((一社)KEC 関西電子工業振興センター 杉本久憲)

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