1.イミュニティとは、EMSとは何か、その概要・意味
イミュニティとは、電磁感受性(EMS:Electromagnetic Susceptibility)のことを示します。
EMCにてEMSとEMIについて記載していますが、ここではイミュニティ(EMS)にフォーカスして記載します。
つまり、EMCにおけるイミュニティとは、『電気機器などが様々な外的要因(ノイズ)で性能を低下せずに作動する能力』のことです。
電気機器の周辺は様々な機器がある場合が多くなります。その際に周辺の機器に影響を受けて性能が下がってしまうと、本来の性能が発揮できず、使用に支障をきたしてしまします。そのようなことが起こらないように、イミュニティ対策・EMS対策をしっかり行わなければなりません。
2.イミュニティ対策・EMS対策
具体的なイミュニティ対策・EMS対策としては、ノイズ耐性という観点からすると、センサなどの微小アナログ信号を扱う回路が、イミュニティ対策(EMS対策)を一番必要としています。
一般にアナログ回路はノイズに弱く、デジタル回路はノイズに強いと言えます。
その裏返しですが、デジタル信号はその高調波として高い周波数成分を有し、ノイズ源となります。
従って、アナログ回路はデジタル回路やスイッチング回路から物理的に離しておく必要があります。またグランドも共通化しないのが普通です。
その一方でデジタル回路もまた、駆動電圧の低下によって弱くなる(誤動作を生じやすい)傾向にあります。
最近では、イミュニティ対策(EMS対策)として、静電気の問題がクローズアップされてきました。
機器の軽薄短小化に伴い、人間の手に触れる機会が増加していることがその背景にはあります。
3.放射イミュニティ対策と伝導イミュニティ対策
イミュニティ(EMS)は、もともとは医学用語の免疫を意味しており、EMCにおいては外部からの電磁波に対する耐性、すなわち外来電磁波に対して機器等が性能劣化なしに動作することができる能力をいう。
イミュニティ(EMS)に対するものにサセプティビリティ(susceptibility:感受性)がある。
これは電磁妨害波によって素子や機器等が性能の劣化が起きやすいかを意味している。
イミュニティにおいても妨害波と同様に伝導性イミュニティ、放射性イミュニティとがある。
4.イミュニティとエミッションの違い(EMSとEMIの違い)
イミュニティ(EMS)に対してエミッション(EMI)も存在するが、イミュニティとエミッションとの違いなどは「エミッション(EMI)とは」をご覧頂き比較して頂きたい。 エミッションとイミュニティの違いを記載しています。
<イミュニティ対策コラム>イミュニティとは何かを簡単に
- Electro-Magnetic Susceptibility(電磁的感受性)
- 擬似的に妨害電磁界を与え、電子機器の耐性を評価する
- 妨害電磁界を空中から放出して与える方法及びケーブルを伝播させて与える方法がある
5.EMCとEMSの違い
EMCとEMSの違い、関係性に関しては、「EMCとは」をご覧下さい。
6.イミュニティの規格
イミュニティの規格に関しては「EMC規格・規制」をご覧下さい。
7.イミュニティの試験
イミュニティの試験に関しては「イミュニティ試験とは」をご覧下さい。