1.エミッションとは/EMIとは何か、その概要と意味

エミッションとは電磁障害(EMI:Electromagnetic Interference)のことを示します。
EMCにてEMIとEMSの関連性を記載していますが、ここではエミッション(EMI)にフォーカスして記載します。

つまり、EMCにおけるエミッションとは、『電気機器などが周囲に不要な電磁ノイズを放出する』ことです。
電気機器の周囲は様々な機器がある場合が多く、その周辺の機器に放出した電磁ノイズで影響を与えて性能を下げてしまうと周囲の機器は本来の性能が発揮できず、大きな障害に繋がりかねません。そのようなことが起こらないように、エミッション対策(EMI対策)をしっかり行わなければなりません。

2.エミッション対策・EMI対策


具体的なエミッション対策(EMI対策)としては、伝導ノイズ対策は周波数が低いということもあり、わりとオーソドックスなエミッション対策・EMI対策(ノイズを伝導させないようにフィルタを挿入する)が通用します。

それに対して放射ノイズは厄介です。電磁波は目に見えない、また計測することも容易ではないということがその下地となっています。

また周波数が高いので、寄生成分や共振が顕在化し、原因をわかりにくくしています。
とはいえ、いくつかの鉄則は存在します。

  • ① ノイズ発生源
  • ② 伝達経路
  • ③ アンテナ(放射ノイズの場合)

の3つに分けて考えるとわかりやすいものになります。

3.エミッション(EMI)問題とエミッション対策/EMI対策の基本的な形態

EMIは電磁妨害波によって引き起こされた機器等の性能劣化であり、interferenceが妨害を受けるという意味から「電磁障害」と訳されることもある。
「interference」が「disturbance」と区別なく用いられることが多いので、EMIを電磁妨害波の意味に用いることしばしばある。

図1.EMI問題の基本的な形態
図1.EMI問題の基本的な形態

電磁妨害波は機器やシステムの動作を妨げ、性能を低下させたりなどの悪影響を及ぼす原因となる電磁現象をいう。
JIS規格においては「電磁妨害」としており、「機器、装置またはシステムの性能を低下させる可能性があり、また、生物、無生物にかかわらず全てのものに悪影響を及ぼす可能性のある電磁現象」と定義している。

エミッションはEMCの分野においては、電子機器から放射・放出された電磁エネルギ自体をさし、JIS規格では、エミッションと表記しているが、電源線やI/Oケーブル等の導体線路を経由して流出し、他の機器に侵入して妨害を与える伝導性妨害波(radiated emission)、電磁エネルギが電磁波の形態で放射され、空間を伝搬して他の機器に妨害を与える放射性妨害波(radiated emission)というように妨害波と称してもいる。

4.エミッションとイミュニティの違い(EMIとEMSの違い)

エミッション(EMI)に対してイミュニティ(EMS)も存在するが、それは「イミュニティ(EMS)とは」で別途違いなどを解説します。

<エミッション対策コラム>エミッションとは、EMIとは何かを簡単に

  • Electro-Magnetic Interference(電磁干渉)
  • 電子機器が外部に放出する不要な電波の強さを評価する
  • 空気中に放出されて障害を与える電波、ケーブル等を伝播して障害を与える電波に分類されます

5.EMCとEMIの違い

EMCとEMIの違い、関係性に関しては、「EMCとは」をご覧下さい。

6.エミッションの規格

エミッションの規格に関しては「EMC規格・規制」をご覧下さい。

7.エミッションの試験

エミッションの試験に関しては「EMI試験とは(エミッション試験)」をご覧下さい。

8.関連書籍