ノイズ対策・EMC対策 基礎技術ノイズ対策部品(EMC対策部品・EMI対策部品)の概要

ノイズ対策部品(EMC対策部品・EMI対策部品)は、電磁妨害防止に用いられる部品という用途による分類である。このため、他のトランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサなどのように固有の構造、形態を持つ部品を呼ぶものではない。

種々の機器、種々のポートでは特有の信号が使われ、また、その信号に伴う種々のノイズが問題になる。
ノイズ対策部品(EMC対策部品・EMI対策部品)は各機種、各ポートで固有の信号を通して、固有のノイズを除去する機能が必要である。このため、新しい信号が使われる新しいシステムの出現には、これに対応するための新しい機能のノイズ対策部品が必要となる。こうして、ノイズ対策部品は品揃えが充実してきた。
その品揃えされた部品群をこれから有効に活用するには対策メカニズムを知り、合理的にEMC対策部品・EMI対策部品を選択することも重要になる。

図にノイズ対策を実現するための代表的な対策手法を示す。

図.代表的なノイズ対策手法 図.代表的なノイズ対策手法

電子機器における実用的なノイズ対策はこれらの対策手法をバランス良く組み合わせることが重要で、単一の手法で達成することは極めて困難である。
ノイズ対策の基本はパターンニング、グランディング等、基板設計に依存している領域が大きいと考えられるが、最近の電子機器の多機能化、開発期間の短縮化傾向の中で、フィルタリング、シールディング等の対策部品を用いた対策手法は重要な技術となっている。

さらにノイズ対策は理論体系が確立されていない技術分野であり、実際のノイズ対策の作業自体、応急対策が主流とならざるを得ない状況の中ではその即効性は対策を行う側にとっては大きな味方であり、最終的には時間と改造、変更にまつわるコストアップとのバランスの中で妥協点を見つけているのが実情である。
しかし応急的なノイズ対策といえども莫大な作業量であり、応急対策データを積み重ねながら、これを恒久対策に展開していくことを目的としてノイズ対策を進めていくことが重要である。

ノイズ対策の基本はシールドであり、機器全体をシールドすれば、120dB以上のシールド効果が得られる。

しかし、実際の機器では、放熱用の換気口を設けたり表示用の窓を設けたりするため、シールドに開口部が必要になり、ノイズ発生源あるいは妨害を受ける機器をシールド材で完全に覆いつくしてしまうことは不可能になる。
このため1つのシールドだけではシールド効果を高めることができなくなる。
この様な場合、装置、機器本体、屋内、屋外といったような領域に分け、隣接する領域間をシールドすることによって全体のシールド効果を高めることができる。

Chapter.5