EMC最新動向2018-業界の主要機関がEMCの最新動向を語る特別企画-

IEEE EMCS 仙台チャプタ
東北学院大学教授
川又 憲

あけましておめでとうございます。2018年1月よりIEEE EMC Society Sendai Chapter(EMCソサイエティ仙台支部)Chairを仰せつかりました東北学院大学の川又でございます。東北地方におけるEMC研究のより一層の推進と活性化に向け微力ながら力を尽くして参ります。皆さまのご指導、ご鞭撻ならびにご協力のほどお願い申し上げます。新年の始めにあたり、貴重な紙面をお借りし当Chapterの活動につきましてご紹介を申し上げます。

IEEE EMC Society Sendai Chapterは2001年にChapterとしての設立を認めていただきました。それ以来、EMC関連分野の研究や技術開発に携わる皆さまに向け、技術交流や研究討論の場を提供して参りました。歴代のChapter Chairs(支部長)は、佐藤利三郎先生、高木相先生、杉浦行先生、越後宏先生、井上浩先生、嶺岸茂樹先生、曽根秀昭先生、そして山口正洋先生が務められ、この度、歴史と伝統のある重いバトンを小職が引き継ぐことになりました。

Sendai Chapterの主な行事は、研究集会の主催行事としてSendai Chapter Colloquiumを年に1~2回開催しております。このColloquiumは講師による話題提供をいただき、参加者とのインタラクティブな雰囲気での語らいを通じてEMC技術情報の伝達を図り、研究成果や新技術の本質を十分に理解する場を意図して始めたものです。これは当支部の特徴的な看板行事として支部の設立以来、継続して開催して参りました。現在では各国のChapterもこのような研究集会を開催しているようです。また、定例的な学術成果の議論の場としては、電子情報通信学会の環境電磁工学研究専門委員会(EMCJ)と連携し、10月期の東北地区開催研究会を共催させていただき、その他の開催は協賛させていただいております。さらに、1977年から続いている“EMC仙台ゼミナール”と共催の研究集会行事も催しており、EMCに関する多くの知見を発信ならびに蓄積して参りました。これらの技術的会合の運営に加え、EMC分野に携わる若手研究者や学生達の奨励活動も Sendai Chapterの重要ミッションであり、これまでに開催してきた我が国のEMC国際シンポジウムの開催に合わせ、若手研究者の表彰を実施して参りました。最近では、2014年5月東京にて開催されたEMC’14 Tokyoにおきまして、IEEE EMCソサイエティ日本支部と共同で、国際会議若手奨励賞としてIEEE EMC Society Japan/Sendai Chapters Student Awardを2名の若手研究者に、また2015年11月仙台で開催された2015Korea-Japan Joint Conference(KJJC-2015)にてBest Poster Awardを1名の学生に、それぞれ授与しました。このように当Chapterは、研究者を中心とした学術的活動範囲に留まらず、関連企業やその技術者さらにはEMC技術を学ぶ学生達も含め、幅広いEMC関連人材に対して新規かつ有効でタイムリーな情報を提供できるよう、行事企画を進めているところでございます。なお、Chapter行事の開催案内などはウェブサイトwww.topic.ad.jp/emc-sendai/で公開し、会員以外のご参加も歓迎しております。さらに一部の活動報告をIEEE EMC SocietyのWebサイト内のEMC Magazineにも掲載しておりますのでご参照下さい。

さて、このようなChapter活動ですがここ数年に渡り幹事団が抱える運用上の悩みもございます。それは、東北地区におけるEMC Societyの会員数が少ないことです。現在、仙台Chapterの会員数は20名前後で推移しておりますが、毎回の研究集会等では大学院生など若手の研究発表や参加も多く、各企画は会員あるいは非会員の垣根を超えて、数十名程度の参加をいただいております。このような学生や若手の潜在数は多いのですが、技術者あるいは研究者として東北地区への定着が難しい状況があるものと感じております。当面の課題は、会員数の増強となりますが、そのためには皆さまのニーズに合わせた企画の展開と、参加者の満足度を向上させることが重要と考えております。

皆様におかれましてはIEEE EMC Society Sendai Chapterの取り組みについてお知り置きいただき、今後の活動へのご指導とご支援をお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。本年もどうぞよろしくお願い致します。