EMC最新動向2018-業界の主要機関がEMCの最新動向を語る特別企画-

日本医療機器産業連合会
技術委員会EMC分科会 主査
武田 裕二

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

一般社団法人 日本医療機器産業連合会(医機連:JFMDA)は、保健・医療用の用具、機器、器材、用品等の開発、生産、流通に携わる事業者団体の参加のもと、各団体に係わる内外の共通問題についての調査・研究を行い、その対策を講じ、業界の公正な意見をとりまとめ、その実現を図り業界の発展と国民の健康福祉の増進に寄与し、日本をはじめとして世界に優れた医療機器テクノロジーを提供し、もって国民福祉の向上と医療機器産業の発展に寄与することを目的としております。

EMC分科会は、医機連内に設置された技術委員会の傘下において、EMCを扱う分科会として医機連の掌握する医用電気機器のEMCに関する、最新情報の把握、事業者団体への周知及び、基準化、標準化への提言等を推進する活動を行っています。

EMC分科会の主な活動

昨年は、以下に記載しました、医用電気機器の最新EMC規格(IEC 60601-1:Ed4.0のJIS化及びIEC 60601-1:Ed4.0+Amd1審議等)につきまして、国際委員会等審議状況の加盟団体への周知及び審議委員会への提言等の活動を行ってまいりました。

又、総務省からの調査委託によって設置されました、平成28年度「電波の医療機器等への影響に関する調査の有識者会議」に構成員として参加し、在宅医療での医療機器へ及ぼす影響調査に向けた基礎調査及び植込み型心臓ペースメーカ等への影響に関し本有識者会議への提言等を行ってまいりました。本調査報告書は昨年3月31日に公開されております。引き続き、平成29年度の上記有識者会議にも構成員として参加し、提言等の活動を行っていく所存であります。

尚、電波環境協議会にて平成27年度に設置されました「医療機関における電波利用推進部会」に昨年も構成員として参加し、「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」普及に向け加盟団体の意見集約、提言等を行い、平成29年6月28日に「医療機関における電波の安全利用規程(例)について」が発行されました。

医用電気機器のEMC規格の動向

現在の医用電気機器 EMC 規格の状況について。

  • JISに関しましては、2014年2月25日発行のIEC 60601-1-2:Ed.4.0に完全一致した当該JISの改正原案を作成すべく、2015年6月に電子情報技術産業協会(JEITA)に「JIS T 0601-1-2原案作成プロジェクトグループ(PG)」が設置され審議が行われてきました。
現在JISCの審議を経たのちに本年発行予定の見通しにて進んでおりますが、移行期間につきましては、関係機関との協議のうえ決定される予定となっています。
  • 国際規格IEC 60601-1-2に関しましては、2014年2月25日に発行されたEd4.0の改正版、Ed4.1の国際会議審議が進められております。現在の予定では2019年に最終版発行の計画となっております。

医用電気機器に関するEMCの今後

IEC 60601-1-2:Ed4.0のJIS版が本年発行見通しとなっております。国内向け医用機器適合に向けての規格の解釈、具体的な適合方法等の対応の必要性が高まっており、EMC分科会においても、加盟団体を通じて関連企業等への最新情報提供等を行い、最新規格への的確な適合に寄与できる活動を進める所存です。

尚、新たに追加された試験項目(近傍電磁界イミュニティー)の具体的な試験方法の策定等の検討課題につきましても、積極的な提言を行ってまいります。

その他にも、電波法、電安法等関連法規制の情報収集、提言等の関係する活動も行っていくことによって、国民福祉の向上と医療機器産業の発展に貢献できるように活動を推進してまいりますので、引き続きご支援、ご協力の程よろしくお願いいたします。