1. ノイズフィルターとは、EMIフィルター/ラインフィルターとは何か
ノイズフィルターとは、ケーブルなどで発生する不要なノイズを除去してくれるフィルター・装置のことを示します。EMIフィルターとは、ラインフィルターとは、に関しても同じ意味として用いられることが多い。
近年機器の小型・省エネ・高性能化が進む一方、使用する電子部品の耐電圧低下やノイズ成分の増加が起きている。そのことからノイズによる破損や誤動作も増え、EMC(ノイズ)対策がより重要となっている。本稿ではEMC対策としてのノイズフィルターについて概要や種類について紹介していく。
<ノイズフィルター(EMIフィルター/ラインフィルター)のCENDおすすめ製品>
- 【EMI除去フィルター】
ACライン用EMIフィルタ
HF2000A-UP - 【EMI除去フィルター】
ACライン用EMIフィルタ
NF2000A-SUM - 【EMI除去フィルター】
DCライン用コモンモードフィルタ
CMF01/05/07 - 【EMI除去フィルター】
信号用ラインフィルタ
SNTシリーズ
2. ノイズフィルター(EMIフィルター/ラインフィルター)の原理と構造
ノイズ(雑音)の種類は2つに分類される。1つめは輻射ノイズと呼ばれ、電子機器の内部から直接空間に放射され、電波となって他の電子機器に妨害を与えるノイズである。2つめは伝導性ノイズと呼ばれ、電源ケーブルや電子回路の配線を伝わり他の電子機器に妨害を与えるノイズである。これらのノイズは、電子機器の誤動作や破損といった原因にも繋がることから、ノイズフィルターを用いたEMC対策が必要とされている。
EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁的両立性)規制には、
- EMI〈Electro Magnetic Interference〉
電磁気妨害(機器や人体に影響する)を発生させないこと! - EMS〈Electro Magnetic Susceptibility〉
電磁気妨害感受によって(機器自体の)動作が阻害されないこと!
の2つがある。
EMIはノイズの発生・放出を防ぐ "エミッション" 対策の規制であり、
EMSはノイズの侵入を防ぐ
"
イミュニティ" 対策の規制である。
ノイズフィルターは別名、電源フィルター、ラインフィルター、EMIフィルターとも呼ばれ、回路構造は一種の低域炉波器(ローパスフィルター)であり、遮断周波数より低いもののみを通し、それ以上の高い周波数は減衰させてしまうように設計された原理を持つフィルタである。
3. ノイズフィルター(EMIフィルター/ラインフィルター)の構成と回路例
ノイズフィルターは基本的に、ライン間コンデンサ(Cx)とライン-アース間コンデンサ(Cy)、コモンモードコイル(L)、放電抵抗(R)で構成されている。(図.1、図.2)
コモンモードコイルは、磁性体材料を使用したコアに銅線を同相巻にし、それぞれのコイルに流れる電流の磁束を互いに打ち消し、コアの飽和を防ぎ大きなインダクタンス[単位: H (ヘンリ)]を得ている。コンデンサ(Cx)は、ライン間コンデンサであり、主にノーマルモードノイズを減衰させる効果があり、コンデンサ(Cy)は、ライン-アース間コンデンサで、コモンモードノイズを減衰させる効果がある。
<ノイズフィルタ(EMIフィルタ/ラインフィルタ)のCENDおすすめ製品>
- 【EMI除去フィルター】
連結式ノイズ抑制コア
Type-S, M - 【EMI除去フィルター】
電源ラインノイズフィルタ
NBC/NBM - 【EMI除去フィルター】
信号用
TRX1000BTHF - 【EMI除去フィルター】
ブロードエフェクトコア
BRE/BREK
4. ノイズフィルター(EMIフィルター/ラインフィルター)の取り付け方法
ノイズの発生源側に取付ける場合には、発生源にできるだけ近い場所にノイズフィルターを設置した上で、入出力の結合がないように入出力線を分離することが重要である。入出力線を一括で束ねていたり、互いに平行に配列した場合には、それによって高周波ノイズ成分が誘導してノイズフィルターの効果を著しく損なうことがあるので、取付ける場合にも注意が必要となる。
そしてノイズフィルターの接地線は、ノイズ電流に対して低インピーダンスになるように配置しないと防止効果が損なわれる。 そのため
アース線はできるだけ太く短く使用する事が重要となる。 アース線が長くなると、ノイズ防止効果(特に数MHz以上の高周波領域)が大幅に悪化してしまう。(図.3)
5. ノイズフィルター(EMIフィルター/ラインフィルター)の製品写真
(著)岡谷電機産業株式会社
ノイズ対策部品・EMC対策部品一覧ノイズフィルター(EMIフィルター・ラインフィルター)のCEND掲載製品
ノイズフィルター(EMIフィルター・ラインフィルター)の製品一覧ページです。
ノイズフィルター(EMIフィルター・ラインフィルター)をお探しの方は、下記の一覧よりご選定ください。
各製品の見積もり・問合せも各製品ページより行って頂けます。
尚、サービスと致しまして各EMC関連製品の見積もり・お問合せを行って頂くことで月刊EMCを無料購読できます。
<ノイズ対策部品・EMC対策部品 検索ページ>
EMC関連製品検索ページはこちらになります。
<『ノイズフィルター(EMIフィルター・ラインフィルター)』の項目一覧>
『ノイズフィルター(EMIフィルター・ラインフィルター)』に関して下記の項目で比較検討が可能です。
メーカ名/取扱店/型名/シリーズ/通称/用途/適用(対策)範囲/特長/対策信号/材質/形状/寸法L/寸法W/寸法H/回路構成/ 回路数/回路当り端子数/定格電圧 V/定格電流 A START/定格電流 A END/使用温度 ℃ START/使用温度 ℃ END/使用周波数 MHz START/ 使用周波数 MHz END/最大減衰量 dB/最大インピーダンス Ω/静電容量 pF START/静電容量 pF END/許容偏差 % START/許容偏差 % END/ 温度特性 %/℃ START/温度特性 %/℃ END/インダクタンス Ω START/インダクタンス Ω END/許容偏差 % START/許容偏差 % END/ 直流抵抗 Ω START/直流抵抗 Ω END/取得規格UL/CSA/TUV/VDE
CENDではノイズ対策部品・EMC対策部品を含めた各EMC関連製品毎の仕様フォーマットを統一することにより、比較・選定を簡単に行うことができます。
「メーカー名」はもちろん、「取扱い企業」や「型名」、「シリーズ」、「用途」、「サイズ」、「適応規格」、「種別」、などの細かい製品仕様情報を掲載しています。
また、見積もりや問い合わせなどもCENDからダイレクトに行えますので、個別に各企業HPを訪問し個別に見積もりを取る手間も省くことが可能です。
尚、CENDの掲載製品情報は日々更新されておりますので定期的な閲覧を推奨致します。
ノイズ対策部品・EMC対策部品の検索・選定はぜひCENDをご利用下さい。
<EMC関連製品に関してユーザー様へCENDが提供する主なサービス>
- 各EMC製品をカテゴリ毎(製品種別毎)に検索可能なデータベースのご提供
- 各EMC製品の詳細な仕様を統一フォーマットでご提供
- 各EMC製品の見積もりをCENDから依頼可能
- 各EMC製品に関する問い合わせを送信可能
- EMC製品に関わる規格情報のご提供
- EMCに関しての質問を知恵袋で解決可能
※製品掲載をご希望の企業様はこちらよりご連絡下さい。