1.シールドルームの概要

シールドルームとは外部から電磁波が入らない、あるいは外部に電磁波をもらさない構造の部屋。電磁波の遮蔽のみであれば構造的には金属や金網等の導電体で6面を囲われる。建屋新築時から施工する事もあるが、既存の建物の内部に組み立て可能なパネル組立式で設備されることが多くなっている。その他、組立・収納が可能なテント式、周囲からの音や空気の透過や内部が見えるメッシュ式等もあり、電磁シールドの目的及び計測内容、設置場所や環境等に応じて個別に設計される。

パネル組立式シールドルーム例
※パネル組立式シールドルーム例

2.シールドの種類

シールドの種類は、電磁波シールド、X線防護 (放射線防護)、磁気シールド、静電シールド等がある。電波、X線、磁気、静電と、シールドする対象によりそれぞれ特性や遮へい原理が異なり、使う材料や構造、施工方法も異なる。

電磁波シールド性能は、次式のようにシールド効果 (SE) として、遮蔽層両側の電磁界強度比率をデシベル単位で表示して用いられます。

SE(dB)=20log10(E0/E1)
E0:シールド材料が無い時の電界強度(V/m)
E1:シールド材料を透過した電界強度(V/m)
※一般的に電磁波シールド設備と言えるのは、最低 30dB 以上の電磁波シールド性能を有するものとされている。

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3.シールドルームの必要性

主に機器や通信メーカーでは精密機器、電子機器、無線機器などの製品開発や品質管理を行う環境を整備するために、外来ノイズ(不要ノイズ)から隔離した空間をつくる必要がある。その逆に、施設内部の機器や装置から発生する電磁ノイズ(不要電波)によって、施設外部の機器や装置に電磁障害を与えないよう対策をしなければならない。また、ワイヤレスマイクなどを使用する環境では、混信を防止し電波を有効利用する環境づくりを必要とされる施設もある。近年では,電磁波テロ等からインフラ等を防護する目的として、電磁波セキュリティ用シールドルームの需要が増えている。

電子機器を設置・使用する建物や部屋、脅威から防護する必要のある設備や施設をシールド化することによって、懸念されるリスクを回避し、安定した運用ができるようにするために電磁波シールドルームの設置・施工が進められている。

4.シールドルームの用途

シールドルームの用途としては、EMC測定室・電子機器の研究開発・医療関係・精密検査室・情報漏洩防護室・高セキュリティ室などに使用される。内部に電波吸収体を設置することで、高性能電磁波シールドルームや電波暗室としての使用も可能。また、シールドルームの内側に吸音楔を取付けて音響無響室と共用することもあります。一般的な事例として、外来電波の影響によりマイクロフォン、ピックアップ録音ヘッド等の音響機器にノイズがのることがあり、これを防止する為に無響室やスタジオ、ライブハウスや劇場などに電磁シールドをする事が多くなっています。

(著)日本板硝子株式会社